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令和7年度第1回千葉県歯科向けエイズ研修会
医科部門
- 受講対象
- 歯科医療従事者
(※施設基準の修了証は千葉県歯科医師会会員のみの発行となります)

HIV/エイズを取り巻く状況は劇的に変化している。最も重要な概念は「U=U」である。抗HIV療法により血中ウイルス量が検出限界未満を6か月以上維持すると、性行為による感染リスクはゼロとなる。曝露後予防(PEP)も進化を遂げた。英国のガイドラインでは、HIV陽性者が6か月以上治療を受けウイルス量が検出限界未満の場合、職業的曝露を含むあらゆる曝露後もPEPは不要としている。これはU=Uの概念を職業的曝露にも適用した画期的な見解である。日本を含めた他国ではこの推奨にまだ踏み切れていないが、世界的にPEPの必要性に関する議論が進んでいる。また日本の抗HIV治療ガイドラインでは、PEPの推奨薬としてビクタルビ配合錠が新たに位置づけられた。1日1錠で済む利便性と高い耐性バリアが評価されたものである。 歯科医療従事者として、最新の科学的知見に基づいた正しい理解と対応が求められる。
歯科部門
- 受講対象
- 歯科医療従事者
(※施設基準の修了証は千葉県歯科医師会会員のみの発行となります)

HIV感染症は、医療の進歩に伴い完治は困難であっても、服薬により発症を抑えたり、重症化を防止することが可能となり、現在では針刺しなどの血液暴露による感染症発症リスクで、HIVについては多剤併用による暴露後予防が行われるようになり、職業的暴露による感染はほとんど発生していないのが現状である。HIV陽性者の社会生活を支援するため、身近な地域で安心して歯科医療を受けられる必要がある。しかし陽性者は、原疾患が安定しているにも関わらず、歯科での受診を拒否されるケースが散見されてきた。HIVに限らず、人類はさまざまな感染症に遭遇し、パンデミックにより人類の歴史は変えられてきた。19世紀後半になってから病原体やその治療法がわかってきたことにより感染症による死亡者は激減した。しかし、1970年頃より新たな感染症の「新興感染症」や一時は発生数が減少するも再び出現した「再興感染症」が問題となっている。私たち歯科医療従事者が、これらの危機を回避していくには、正しい感染対策の知識を身につけ、実践していくことが重要である。「標準予防策(スタンダードプリコーション)」や「感染経路別予防策」が基本的な措置となる。新興感染症に対して重要となるのが、これまでの感染予防策をより一層確実に行うことである。今回は感染対策の基本から、新興感染症対策までを含めた話をしたいと思う。あわせて、2014年より開始された千葉県エイズ協力歯科医療機関紹介制度について説明をしたいと思う。