学術プログラム
基調講演
(Keynote Lecture)
会場
第7会場
9:30~11:30
歯周治療を科学する
私は大学卒業後直ちに歯周病学講座に入局しました。教書として分厚いJan Lindhe 著のClinical Periodontologyを購入し、医局でビール片手に先輩との一問一答から歯周病の世界に足を踏み込みました。当時は歯周再生療法として初めてGTR法が医局に導入されたタイミングであり、欠損への細胞の誘導と再生効果に大いに刺激され大学院入学を決めました。現在では、これまでの経験を活かし、学生講義や研修医指導では歯周組織の状態が少しでもイメージできるような指導を心がけています。そうすることで学生時代に無理やり記憶した基礎と臨床が繋がるとき、皆一応に「腑に落ちた」という明るい表情をします。本日の講演ではこれまで漫然と繰り返してきた歯周病治療について私の経験からサイエンスしてみたいと思います。ぜひご一緒に歯周組織で何が起こっているのか想像してみてください。自分の歯で一生過ごすことを希望する患者が増える中でご開業の先生にとって、明日からの診療のヒントになれば幸いです。
講師
(Motohiro Komaki)
神奈川歯科大学歯学部臨床科学系歯科保存学講座歯周病学分野 主任教授、
日本橋三越 歯科・健脳クリニック日本橋 歯科・口腔外科
略歴・学会活動
- 1991 年 神奈川歯科大学(KDU) 卒業
- 1996 年 東京医科歯科大学大学院歯学研究科卒業 博士(歯学)
- 1996-1998 年 アメリカ・ワシントン大学医学部教員
- 1998-2002 年 カナダ・トロント大学MRC 研究員
- 2002-2005 年 学術振興会特別研究員
- 2005 年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 助教
- 2010 年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 准教授
- 2017 年 神奈川歯科大学歯学部 准教授
- 2021 年 神奈川歯科大学歯学部 教授
資格
日本再生医療学会認定医、日本専門医機構認定歯周病専門医
専門
細胞生物学、血管新生、幹細胞生物学、細胞医工学
趣味
山歩き、射撃
教育講演
(Educational Lecture)
会場
第5会場
13:00~15:00
歯科補綴治療におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)への課題
歯科治療のデジタル化は、歯科技工所で歯科医院から届けられた石膏模型をラボスキャナーで読み取りデジタル化してCAD/CAMでコーピングやフレームを作製することが先行しておこなわれており、歯科診療室ではこの当時はアナログ治療で作業が進められていた。
2014年頃から日本においても口腔内スキャナー(Intraoral Scanner;IOS)が使用可能となり、特にインプラント治療においてIOS のメリットは大きく、少数歯欠損であれば短時間で精度の高い印象採得ができ、患者と術者ともに治療ストレスの軽減を図れるようになった。
そして、2024年6 月からインレーの光学印象が保険診療でおこなうことが可能となり、天然歯に対してもIOS を用いた光学印象の需要が高くなると考えられる。
デジタル化は「デジタイゼーション」,「デジタライゼーション」そして「デジタルトランスフォーメーション」と進んでいくことが定義されているが,歯科界においても模型をラボスキャナーでデジタル化していたデジタイゼーションから,IOS で印象採得をおこない直接採得されたデータから補綴装置を作製するデジタライゼーションまで既に歯科治療は到達している。
そこで、今回は保険導入されたIOSのメリットとデメリットに触れながら、デジタル化の最終段階にあたるデジタルトランスフォーメーション;DXが歯科治療においてどのようなものかを述べる。
講師
(Atsuo Uematsu)
ウエマツ歯科医院 院長
略歴・学会活動
- 1985 年 神奈川歯科大学卒業;歯周病学教室助手
- 1989 年 ハーバード大学歯学部留学 (Clinical Fellow)
- 1993 年 植松歯科医院開設(横浜市港北区)
- 1999 年 東京SJCD 理事
- 2008 年 博士号取得(歯学博士;歯根膜の研究)
- 2008 年 シンガポール歯科医師免許取得
- 2009 年 ウエマツ齒科醫院開設(二子玉川)
- 2020 年 ITI Fellow
- 2021 年 九州大学 非常勤講師
- 2023 年 日本口腔インプラント学会認定研修施設 GIRC 施設長
学会活動
日本歯周病学会
日本補綴歯科学会
日本口腔インプラント学会 専門医・指導医
日本臨床歯科学会(SJCD) 指導医
韓国京畿道歯科医師会招待講演
(Invited Lecture Gyeonggi Dental Association)
会場
第4会場
14:00 〜 16:00
Consideration factors for achieving anterior implant esthetics
Consideration factors for achieving anterior implant esthetics
Since implant treatment was introduced as a method of replacing lost teeth, it has made many advances and is showing a high success rate and stability as a method of replacing lost teeth. However, compared to posterior implant treatment, anterior implant treatment is often difficult to obtain the desired results due to problems such as insufficient bone volume, unfavorable angle of the alveolar process, and insufficient soft tissue. Above all, it is a difficult treatment that must satisfy both function and aesthetics.
In this lecture, we will discuss, along with case examples,factors that must be considered in the treatment planning stage to achieve optimal aesthetics during anterior implant treatment, as well as implant placement and additional tissue augmentation methods.
審美的前歯部インプラントのための配慮すべきファクター
インプラント治療は、喪失歯の治療法として導入されて以来、多くの進歩を遂げ高い成功率と安定性を示しています。しかしながら、前歯部インプラント治療は臼歯部インプラント治療に比べて骨量不足、歯槽突起の角度不良、軟組織不足などの問題により、しばしば期待した結果が得られないことがあります。前歯部インプラント治療は機能と審美の両方に精度を求められる難しい治療です。
本講演では、前歯部インプラント治療においてより高い審美性を実現するために治療計画段階で考慮すべき要素、そしてインプラント埋入位置および組織増強法について、症例を交えて解説します。
講師
(Son Young Whee)
京畿道歯科医師会 副会長
Profile
Son Young Whee, DDS, MSD, PhD.
Graduated from Chonnam National University College of
Dentistry
Trained at Department of Oral and Maxillofacial Surgery,
Chonnam National University Hospital
PhD, College of Dentistry, Chonnam National University
Adjunct professor, Department of Dentistry, College of
Medicine, Hallym University
Senior Advisor, Advanced Implant Research Association
Vice-president, Gyeonggi Dental Association
Director, e-Good Dental Clinic
医薬歯シンポジウム
(Symposium on Medical, Pharmaceutical and Dental Sciences)
会場
第7会場
13:30 ~ 16:00
『医科部門』
骨粗鬆症治療医からみたMRONJ対策と連携
薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)は稀ではあるが重篤な疾患であり、骨粗鬆症治療においても重大なadverse eventの一つである。2023 年のポジションペーパーでも明記されているが、MRONJの発症には骨リモデリングの抑制と、感染および炎症の寄与が大きい。抜歯はそれ自体が原因ではなく、既に進行しつつあるONJを顕在化させているに過ぎないことが多いと考えられる。骨粗鬆症治療中の患者において抜歯前の待機的休薬の有効性は不明であり、推奨されない。しかしながら、骨粗鬆症薬の薬剤特性を踏まえた密接な医歯薬連携により、骨折およびMRONJのリスクを最小化することが望ましい。本講演では各骨粗鬆症治療薬の骨代謝に及ぼす作用とその機序や持続時間などについて概説し、実臨床におけるマネジメントについて議論する。
講師
(Daisuke Inoue)
帝京大学ちば総合医療センター 病院長
略歴・資格・所属学会
- 1988年3月 東京大学 医学部医学科 卒業
- 1988年6月 東京大学医学部附属病院分院研修医
- 1989年6月 公立昭和病院内科レジデント
- 1990年6月 東京大学医学部附属病院分院第四内科医員
- 1993年8月 イェール大学医学部細胞生物学教室ポストドクトラルアソシエート
- 1997年4月 イェール大学医学部細胞生物学教室リサーチ・サイエンティスト
- 1997年10月 徳島大学医学部附属病院第一内科 医員
- 1999年5月 徳島大学医学部第一内科 助手
- 2003年4月 徳島大学大学院生体情報内科学 講師
- 2006年11月 帝京大学ちば総合医療センター第三内科 講師
- 2009年1月 帝京大学ちば総合医療センター第三内科 准教授
- 2013年6月 帝京大学ちば総合医療センター第三内科 教授
- 2022年4月 帝京大学ちば総合医療センター 病院長(併任)
-
2024年4月
帝京大学ちば総合医療センター第三内科学講座 主任教授
(現在に至る)
資格:
医籍登録 昭和63 年5 月30 日(第317158 号)
日本内科学会認定医(2003.9.8)
日本内科学会総合内科専門医(2016.12.16)・指導医
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医(2004.4.1)
日本糖尿病学会専門医(2009.11.29) 指導医(2017.11.26)
日本骨粗鬆症学会認定医(2016.8.1)
学位:医学博士 乙医 1681 号 (2006.5.25、徳島大学)
所属学会:
日本骨粗鬆症学会(2021.10- 副理事長)、日本骨代謝学会(理事: 編集担当)
日本内分泌学会(評議員)、日本内科学会(評議員)、日本糖尿病学会、
日本老年医学会
日本内分泌学会関東甲信越支部(幹事)、日本骨免疫学会
千葉県糖尿病対策推進会議(理事)
公益財団法人 骨粗鬆症財団 評議員(2020.6.19-)
American Society for Bone and Mineral Research (ASBMR)
American Diabetes Association (ADA)
International Osteoporosis Foundation (IOF)
『薬科部門』
顎骨壊死を予防するための医歯薬連携を考える
~薬剤師の立場から~
医薬品の使用は、その薬理作用により、口内炎、口渇、顎骨壊死など、口腔内の様々な副作用を引き起こすことがある。これらの副作用をマネジメントする上で、近年、医歯薬連携の重要性が指摘されている。薬剤師は歯科医師、医師、患者を繋ぐ橋渡し役を求められる。
医療機関と保険薬局を結ぶ情報共有ツールとして、多くの施設でトレーシングレポートを導入している。薬機法の改正によって、薬剤師には薬を調剤した時のみならず、服用期間を通じた継続的な薬学的管理等が義務付けられことから、最近ではテレフォンフォローの結果報告のレポートも増えてきている。このように連携の土壌はできつつある。一方で、顎骨壊死のマネジメントにおいて連携を強化するためには、まだ乗り越えなければならない課題がいくつかあると考えられる。今回は、顎骨壊死を予防するための医歯薬連携について、薬剤師の立場から考えたい。
講師
(Sayaka Arai)
千葉大学医学部附属病院 薬剤師
学歴及び職歴・委員会活動等・資格
- 2001年3月 北海道大学薬学部総合薬学科卒業, 薬剤師免許取得
- 2003年3月 北海道大学大学院薬学研究科修士課程修了
- 2003年5月 千葉大学医学部附属病院薬剤部 研修生
- 2003年11月 千葉大学医学部附属病院薬剤部 入職
- 2015年4月 千葉大学医学部附属病院薬剤部 医薬品情報室長
- 2023年4月 千葉大学医学部附属病院薬剤部 副部長
委員会活動等:
日本病院薬剤師会 重篤副作用疾患別対応マニュアルワーキング 委員
日本老年薬学会 評議員、あり方委員会 委員
日本医薬品情報学会 代議員、医薬品情報専門薬剤師認定試験
委員会 委員
資格
日本医薬品情報学会 医薬品情報専門薬剤師
日本糖尿病療養指導士
日本老年薬学会 老年薬学認定薬剤師
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師
日本薬剤師研修センター 漢方薬・生薬認定薬剤師
『歯科部門』
顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023
における改定のポイント
2003年に初めて米国で顎骨壊死が報告されてから20 年が過ぎた。この間顎骨壊死に関連する多くの論文が報告され、本 疾患の病態や管理法についてのエビデンスが蓄積された。そして2023年にわが国の顎骨壊死ポジションペーパー改訂版が発 表され、そこでは新たに医歯薬連携の重要性が示された。これを受け、最近では処方医から口腔内の精査を依頼され、骨吸 収抑制薬の投薬開始前に歯科医院を受診する患者が増えてきたように思う。しかし、実際に投薬中を含め、このような患者が歯科医院を受診した際に、我々はどのように診断、治療法を選択し、連携を進めたらよいのか未だクリアでない部分も存在する。顎骨壊死をおこさない歯科治療、あるいは顎骨壊死の早期発見、早期治療を行うために解決すべき課題はまだ残されている。今回「Reskilling」というテーマで話をさせていただき、薬剤関連顎骨壊死における諸問題について、どこまで分かっていて、何がまだ分かっていないのかを整理したい。
講師
(Takeshi Nomura)
東京歯科大学市川総合病院歯科口腔外科部長・口腔腫瘍外科学講座主任教授
略歴・主な著書
- 2006年4月 東京歯科大学口腔外科学講座 講師
- 2009年7月 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学歯学部に留学
- 2013年7月 東京歯科大学口腔外科学講座 准教授
- 2014年6月 東京歯科大学口腔がんセンター 准教授
- 2015年4月 東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座 教授
-
2020年4月
東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座 教授
口腔がんセンター センター長
現在に至る
主な著書:
標準口腔外科学 医学書院(著分担)
薬剤・ビスフォスフォネート関連顎骨壊死 MRONJ・BRONJ クインテッセンス出版株式会社(著分担)
薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023(著分担)
スタッフセミナー
(Dental staff seminar)
会場
第5会場
9:30 ~ 11:30
口腔育成に繋がる
手づかみ離乳食の力
「噛む子」を育むためには離乳食を月齢で進めるのではなく、赤ちゃんの体の発育、口の機能に合わせ進めることが望ましいと私たちは考えます。私たちが奨める手づかみ離乳食は離乳食初期から手づかみです。赤ちゃんは自ら口の機能に合った食べ物を選んで掴み、補食し、嚥下します。このことで口の周りの筋肉や舌の動きが発達し、咀嚼や飲み込みのスキルが向上し、口腔育成に繋がります。手づかみ離乳食は口腔育成において極めて重要な役割を果たします。赤ちゃんは手づかみ離乳食を通じて、食べることの楽しさを手に入れ、食べる意欲が向上します。この手法は、10 年前から私たちが行っている、離乳食検証によっても確認されています。その検証の映像を交えながら、手づかみ離乳食が口腔育成に与えるプラスの影響をお伝えします。口腔育成は、未来ある子どもの口・心・体の健康の基盤となります。
未来ある子どもたちのために、歯科から手づかみ離乳食を発信していきましょう。
講師
(Miki Arai)
株式会社ハッピースマイルカンパニー 代表取締役
略歴・著書
- 1989年3月 静岡山水歯科衛生士専門学校卒業
- 1996年12月 さいたま市北区歯科医院開業(院長 夫)
- 2006年5月 食育情報を提供の場 ママ・キッズカフェ開設
-
2013年12月
株式会社 ハッピースマイルカンパニー設立
歯科医院食育コンサルタント、講師
歯科衛生士 臨床歴36 年
● 28 年間、歯科医院で地域に密着した歯の健康をサポート
● 付帯施設「ママ・キッズカフェ」で乳幼児の親子に対する食育に取り組む
● これまでに多くの永久歯むし歯ゼロを実現しており、母親たちの信頼を獲得
【著書】
私は乳幼児の保護者に歯科の食育を発信するために2007 年~2021 年にかけて15 年間食育カフェ「ママ・キッズカフェ」を運営しました。その運営の中で乳幼児の食事を観察し、検証を続けてきました。そこで得た「歯科の食育」とは何かを本書「0歳から始まる食育・予防歯科の実践」にまとめました。乳幼児の食育に関する保護者の悩みを解決する「食育アドバイスシート」のほか、理解しやすい動画も見ることができ、自宅のみならず歯科医院の診療室でも「歯科の食育の導入・基礎知識」を活用できる内容となっております。
青年歯科医師の会企画講演
(Lecture planned by Young Dentists Association)
会場
第5会場
15:30 ~ 17:00
デジタルインプレッションの実際
2014 年にCAD/CAM 修復物が保険適用され、年々適用範囲が拡大し、本年4 月よりCAD/CAMインレーの光学印象加算が追加されました。
デジタルを活用した臨床は更に身近なものとなりました。しかしながら、医院での運用など上手く活用することができるか不安を感じている先生方も多いのではないでしょうか。
今回は修復物を製作するに留まらずDS Core(歯科用クラウド)、IOSカウンセリング、デジタルソリューション、デジタルを活用した診療スタイルについてお話しします。
講師
(Koichiro Hoshino)
デンツプライシロナ株式会社 歯科技工士
略歴
- 2000年 埼玉歯科技工士専門学校 卒業
-
2005年
デンツプライシロナ株式会社
(旧・シロナデンタルシステムズ株式会社) 入社
スタディーグループ〜公開症例検討会〜
(Study group sessions ~ Public case review meeting ~)
会場
第8会場
(午前の部)10:00 ~ 12:00
開業医が診る口腔癌患者
10:00 ~ 10:30
私(永野伸一)の他に小宮俊彦先生、小西誠一先生で、南総の会というスタディーグループで年1 回の代表会を開いている。
そして南総地区(旧南総町)に新しく入会した開業医の先生に声をかけて仲間として年1 回の懇親会をしている。
講師
(Shinichi Nagano)
市原市歯科医師会、南総の会、永野歯科医院
千葉県の歯科臨床のレベルアップを目指して!
10:45 ~ 11:15
多くの情報が行きかうこの時代に何を拠り所にするべきか迷うことが多いのではないだろうか。質の高い論文を参考にすることは治療を行うにあたって重要なことは勿論であるが、個体差を考えると長期的な経過観察から得られた知見も診断・治療を行うにあたって大切な指標となる。但し、歯科医師が一人で様々なケースの長期経過を追っていくことは難しく、フィードバックをするには長い時間がかかってしまう。より短い時間で臨床へ活かすことができる知見を得るためには、スタディーグループでの症例の共有と治療内容に関する多くの視点からの検討が必要である。例会では会員によるケースプレゼンテーションを行っている。この会は若い先生が多いので治療が終了したまとまったケースではなく、治療前・治療中のケースも症例として発表可とし、ディスカッションを重視している。そして口腔内写真および診断ができるエックス線写真が撮影できることを会員になるための最低条件としている。
スタディ-グループは立ち上げることは簡単だが、長く継続していくことは難しい。この会を長く継続し、医・患共に満足できる医療 を提供していけることを目指したい。
講師
(Hokkedo Osamu、Keiji Kometani、Ryouki Kou、 Tsutomu Maruyama、Kenji Okazaki)
千葉歯科臨床フォーラム
てんとう虫スタディーグループのこれまでと私の欠損補綴と咬合再構成に向けた戦略的治療法
11:30 ~ 12:00
てんとう虫SG(スタディーグループ)は約45年前、小林和一先生により創設された。当初は歯周治療にこだわり、最先端の歯周治療を臨床に応用する勉強会として、数多くの著名な先生方を輩出してきた。そしてなにより患者さんに寄り添いながら、最善の臨床を行う歯科医師のグループとなることを目指している。近年は、様々な技術を駆使して歯周治療をベースにエンドや修復、インプラント、C r-Br、義歯などオールマイティながらそれぞれの得意分野をもつスペシャリストが集まるスタディーグループへと発展しつつある。今回供覧する症例では、欠損補綴からの咬合再構成について、デジタル技術を応用した顎機能検査と光学印象データから、安定した下顎位を模索しつつ最終補綴装置にて包括的機能改善に取り組んだ。治療精度と長期安定性向上の一助とし下顎位の安定に取り組んだが、下顎運動の再現から歯の接触の可視化、アナログ咬合器への付着、歯科技工士との連携について解説しながら、メリットと今後の課題について報告する。
講師
(Masakazu Morokuma)
千葉市歯科医師会、てんとう虫スタディーグループ、諸隈歯科医院
会場
第8会場
(午後の部)13:00 ~ 15:45
重度歯周病患者に対し、インプラント・歯周組織再生治療及びMTMを 用いた包括治療をおこない10年経過した1症例
13:00 ~ 13:30
市川市歯科医師会では各種歯科検診事業や訪問・障害者診療をおこなう口腔サポートセンター設立などの地域歯科医療への貢献に力を注いでいると同時に会員への学術のサポートにも力を入れております。
歯科医師会は学術団体であるという信念のもと、会長を筆頭に理事会や学術委員会が中心となって年間に4 回程度の講師を招いての学術講演会の開催や、東京歯科大学市川総合病院との連携による年5 回の口腔がん研修、および年1 回会員による症例発表検討会を開催し、会員の学術的な研鑽を重ねております。また、社保委員会が中心となり、会員の保険診療の解釈や理解のために講習会を開催したり髄時メール等にて周知するサポートも徹底しております。
講師
(Masamori Den)
市川市歯科医師会、医療法人社団輝昌会 田歯科医院市川診療所
講演1 病院歯科口腔外科における地域歯科医師会との病診連携の一環としての臨床研究
13:45 ~ 14:15
当院船橋中央病院は、平成6 年に地域歯科医師会(船橋歯科医師会)に入会し、総合病院の歯科口腔外科を標榜し積極的に口腔外科疾患を扱うようになった。病診連携により年間2000 名以上の口腔外科疾患患者を紹介され来院しているが、それらの患者に関する様々な臨床研究を行い、当院で行われている船橋歯科医師会主催クリニカルカンファレンスにて紹介している。昨年までで47 回開催されているが、第48 回の令和6 年度第1 回のクリニカルカンファレンスにて発表された『当科における抗血栓療法施行患者の抜歯手術に関する過去12 年間の臨床的検討』を今回、再検討を加え紹介する。
講師
(Toshiakira Kirikae)
船橋歯科医師会、JCHO 船橋中央病院 歯科口腔外科
共著
〇切替俊彬1),鈴木理絵1),阿部苑美1),飯田実紗1),阪本邦彦1),勝見ちひろ1)才藤靖弘1),小河原克訓1)2),髙橋喜久雄1),山崎繁夫2),藤平崇志2),赤岩けさ子2)
1)独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院歯科口腔外科
2)公益社団法人船橋歯科医師会
講演2 当科における歯性感染症の重症化予測に関わる臨床統計学的検討
―栄養スコアの重要性について ―
講師
(Chihiro Katsumi)
船橋歯科医師会、JCHO 船橋中央病院 歯科口腔外科
共著
〇勝見ちひろ1),才藤靖弘1),阿部苑美1),飯田実紗1),阪本邦彦1),切替俊彬1),鈴木理絵1),小河原克訓1)2),髙橋喜久雄1),山崎繁夫2),藤平崇志2),赤岩けさ子2)
1)独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院歯科口腔外科
2)公益社団法人船橋歯科医師会
MRONJの症例
14:30 ~ 15:00
千葉スタディーグループ(CSG)は創設54 年目の学術的団体です。
各分野の著名な講師をお呼びして年5 回(うち1 回は研修旅行)、日々の臨床に即した学術講習会を開催して研鑽に励んでいます。
会員の希望を反映して、ぜひ受講してみたいという講師の方々を千葉にお招きしての講習会は、明日からの臨床に即、役立つ有意義な内容ばかりです。
CSG は歯科医師、コ・デンタルスタッフ、歯科医療関係者、誰でもすぐに参加できる会です。
年会費5万円(入会金無料)。これだけで千葉に居ながらにして一流講師陣による講義とトレンディーな話題を勉強できるのです。
通常のビジター当日会費は2万円(コ・デンタルスタッフは1万円)ですが、当会にご入会していただける方は、年会費5万円(入会金無料)
だけで、充実した講習会を受講することができるようになります。この機会に是非ご検討ください。
今回は、MRONJ の症例をいくつか経験したので発表いたします。
講師
(Shinya Sakato)
千葉市歯科医師会、千葉スタディーグループ、坂戸歯科医院
補綴前外科手術から最終補綴まで一貫治療の1 症例/ 自家歯牙移植の際、移植床形成にインプラントドリルを応用した1症例
15:15 ~ 15:45
当院は、小児歯科から高齢者歯科まで口腔領域全般に関する診療をおこなっていますが、特に、①一般歯科難症例、②口腔外科、③口腔内科、④スペシャルニーズケア、⑤インプラント、⑥医科歯科連携に重点をおいています。
外来での診療に加え、入院診療や、中央手術室を使用した手術、NST や、摂食・嚥下リハビリテーション等への参加、訪問診療等 幅広く活動しております。
医局員の構成は、講師1人、医員4人、専修医6 人、研修医4人、歯科衛生士5 人となっており、さらに昨年度からは歯科大学附属病院で長く、口腔外科、インプラントを担当し現在、神奈川歯科大学口腔外科特任教授であり、口腔外科専門医・指導医、顎顔面インプラント専門医・指導医である笹倉裕一を嘱託医として迎え、質の高い治療を患者に提供できるよう医局員全員で日々研鑽しております。
抄読会や症例検討会では、活発な議論をおこない、日々の臨床にいかしています。
当院は近隣に歯科大学附属病院がない印旛医療圏において、近隣医療機関や、地域住民にとって小さな歯科大学附属病院のような 存在になることを目指しています。
講師
(Kanako Maeda)
日本医科大学千葉北総病院 歯科
ランチョンセミナ―
(Luncheon Seminar)
会場
第4会場
12:15 〜 13:15
デンチャーケアにおける義歯安定剤と義歯洗浄剤について
内閣府発表の令和5年版高齢社会白書によると、高齢化率は29.0%に達しており、4 人に1 人以上が65 歳以上であることから、今後、高齢者に対するオーラルケアの指導および情報提供が益々重要となります。残存歯のプラークコントロールはもとより、適切なデンチャープラークコントロールの指導、更には、高齢者の「噛む」機能の維持・向上のための口腔管理も重要となります。デンチャー使用者においては、義歯安定剤が有効活用されていますが、義歯安定剤を未だ否定的にとらえている歯科医療従事者も少なくありません。その原因の1 つとして、義歯安定剤には適合の良いデンチャーに使用される義歯安定剤と適合不良のデンチャーに使用される義歯安定剤があることが周知されていないことが考えられます。
義歯安定剤はISO10873の国際規格で、Gluetype(粘着型)とLinertype(密着型)のまったく異なる2タイプが定義されており、デンチャーの適合状態によって使用するタイプが異なります。
本セミナーでは、国内外で示されている最新の義歯安定剤に関するガイドラインと、義歯安定剤のタイプ別の性状、特徴、更に患者さんが有効活用するためにどのような点に注意し指導すべきかについて、義歯洗浄の重要性とともにご紹介いたします。
講師
(Eriko Suzuki)
Haleon ジャパン株式会社 エキスパートセールス
(旧 グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社 )
略歴
- 1997 年 歯科衛生士免許 取得
- 2010 年 歯科用医薬品情報担当者(歯科MR)資格認定 取得
- 2014 年 グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社 入社
- 2021 年 日本義歯ケア学会 義歯ケアマイスター認定取得
DRハンズオンセミナー
(DR Hands-on)
会場
第9会場
9:30 ~ 12:00
一般歯科臨床に役立つ限局矯正について
9:30 ~ 12:00
健全な口腔機能の再構成を成功させるためには、矯正歯科治療は欠かすことのできない技術と言える。歯科医療の中で唯一、歯根の位置を含めた移動ができるのは矯正歯科治療と言える。矯正歯科治療は大きく全顎矯正と限局矯正に分けることができるが、前者については、安易に手を出すことはリスクを伴うと考えられるが、補綴処置を前提としたいわゆる限局矯正(minor tooth movement, local orthodontic treatment)については、一般歯科医が行えた方が術者にとっても患者にとっても非常にメ リットがあるように思う。
近年では、アライナー矯正治療が普及し誤った情報が氾濫し、さまざまなトラブルが生じてきている。我々臨床家は常に安心安全な歯科医療を提供することが本分であることから、自身の技術レベルに合った症例を選択し、必要に応じて医療連携も考える必要があろう。
今回は、一般歯科医が行うべき症例の選択と、限局矯正に関する基本知識と技術習得をハンズオンを含めて解説する予定である。
講師
(Hajime Tokiwa)
常盤矯正歯科医院院長
略歴・資格・役職・著書
- 1984年 慶應義塾高等学校 卒業
- 1990年 鶴見大学歯学部 卒業
- 1990年 鶴見大学歯学部 歯科矯正学講座入局
- 1997年 鶴見大学歯学部 歯科矯正学講座 助手
- 2007年 鶴見大学歯学部 歯科矯正学講座 助教
- 2013年 鶴見大学歯学部 歯科矯正学講座 講師
- 2014年 鶴見大学歯学部 臨床教授(~2017年3月)
- 2014年 医療法人社団 真歯会 常盤矯正歯科医院 院長
- 2019年 鶴見大学歯学部非常勤講師
- 2022年 徳島大学歯学部非常勤講師
資格・役職
- 1997年 日本矯正歯科学会 認定医(第1701号)
- 2001年 歯学博士(歯科矯正学)
- 2002年 日本矯正歯科学会 指導医(第539号)
- 2017年 日本矯正歯科学会 臨床指導医(第335号)
日本臨床矯正歯科医会 学術理事
成育歯科医療研究会 副会長
日本口腔筋機能療法学会 副会長
著書
失敗しないアライナー矯正(編著者)
所属学会
日本歯科医師会
東京都歯科医師会
新宿区歯科医師会
日本矯正歯科学会
東京矯正歯科学会
日本臨床矯正歯科医会
日常臨床に活かす歯周外科手術の切開・剥離・縫合法
13:30 ~ 16:00
歯周外科手術は、歯肉弁根尖側移動術などの切除療法、ウィドマン改良フラップ手術に代表される組織付着療法、エムドゲインやリグロスが主に用いられる歯周組織再生療法、遊離歯肉移植術や根面被覆術などの歯周形成手術の4つに大別されます。術式ごとに手術の目的が異なるため、それぞれの手技に応用される切開・剥離・縫合法もさまざまであり、手術を成功に導くためにはそれらの違いを確実に理解し、実践できることが重要です。そこで本ハンズオンセミナーでは、日常臨床で応用されることの多い術式である、フラップ手術、歯周組織再生療法、根面被覆術を取り上げ、それらに応用されるさまざまな切開・剥離・縫合法について、豚顎実習を通して実際の臨床に即した手技を学んでいただきます。本セミナーが参加された先生方の日常臨床に少しでもお役に立てますと幸いです。
講師
(Yoshihiro Iwano)
岩野歯科クリニック 院長
経歴・所属学会・資格
- 1999年 新潟大学歯学部
- 2000年 日本大学歯学部歯周病学講座にて臨床・研究・教育に従事
- 2005年 歯周病科、歯科インプラント科、歯のメンテナンス、歯周組織再生療法科を兼務
- 2012年 岩野歯科クリニック開院
所属学会・資格
日本歯周病学会 評議員・指導医・歯周病専門医
日本口腔インプラント学会 代議員・指導医・専門医
日本臨床歯周病学会 認定医
アメリカ歯周病学会 会員
OJ(Osseointegration Study Club of Japan) 理事
日本インプラント臨床研究会 専務理事・サイエンス委 員会委員長
DH. ハンズオンセミナー
(DH Hands-on)
会場
第6会場
13:00 ~ 16:00
~超音波SRP
歯石のタイプ別対応とデブライドメント~
歯石やプラーク(バイオフィルム)の取り残しがあるか心配。
SRPに自信がない。臼歯が苦手などSRPに関する悩みを解決させるために何が必要でしょうか? 状況を把握しSRPを成功に導くためにはまずプロービングで正しく情報を得られることが必要です。超音波SRPはハンドスケーラーとは異なり歯石の上からアプローチができ、更に歯石のタイプ別に適したストロークを用いることで効率UPに繋がります。今回はこのストロークに注目し、明日からの臨床にお役立てできる機会をサポートさせて頂きたいと思います。
実習内容
1, プロービング 基礎を確認しよう
2, 異物の違いを見極める/ 歯石( とげ状・棚状・環状・板状)バイオフィルム除去等
タッピングストローク・スウィーピングストローク
3, 取り残しを防ぐストローク:クロスハッチングストローク
4, 歯周病原菌知り超音波スケーラーを有効活用しよう!
①バナペリオ( レッドコンプレックスの有無を知る)
②歯肉縁下デブライドメント
講師
(Keiko Suzuki)
白水貿易株式会社
略歴・共著
- 1990年 北原学院歯科衛生専門学校卒業
- 1990年 一般開業医勤務
- 1993年~現在 白水貿易㈱東京支店 エリアセールス
認定:
- 2008年 第2種滅菌義歯(日本医療機器学会)
- 2010年 認定歯科衛生士(日本歯科衛生士会・生活習慣病予防)
- 2015年 歯科MR認定(日本歯科薬品協議会)
共著:
歯科医師・歯科衛生士のための超音波デブライドメント:一世出版(株)
(Hiroe Shimazaki)
歯科衛生士
略歴
- 1990年 北原学院歯科衛生専門学校卒業
- 1990年 一般開業医勤務
- 現在 すがや歯科クリニック
認定:
- 2014年 認定歯科衛生士(日本歯科衛生士会・摂食・嚥下リハビリテーション)
社保講習会
(Social insurance seminar)
会場
第7会場
12:00 ~ 13:00
『保険点数改定の『キモ』~重症化予防の点数を算定しよう~』
令和6年度診療報酬改定はう蝕の重症化予防と健康な口腔機能を保てるように改定が行われました。
前者においては、F局が管理料と塗布料にわかれ、今まで算定できなかった月にも点数が算定でき、歯清も条件によって算定できるようになりました。
後者において、18歳未満の口腔機能発達不全症の場合は歯科口腔リハビリテーション料3が月2回まで算定でき、訓練や指導を行うことよる発達不全の解消を目的としています。50歳以上の口腔機能低下症においても歯科口腔リハビリテーション料3により、以降のフレイルや認知症の予防を行えるようになりました。
それらに関して当日は細かい解説をしていきますので、
算定をまだしていない会員の先生方におかれましては、この機会に増点をしていただければ幸いです。
また、千葉県歯科医師会のホームページ内の社会保険委員会のページに参考資料が掲載されていますので、活用していただきたいと思います。学会当日に検索方法を実演しますので、スマートフォン、タブレットもしくはノートパソコンをご持参ください。
講師
(Atsuo Suga)
千葉県歯科医師会社会保険委員会
すが歯科クリニック院長(印旛郡市歯科医師会所属)
略歴
- 1998年 東北大学歯学部卒業
- 2021年~ 千葉県歯科医師会社会保険委員会委員
- 2021年~ 千葉県国民保険団体連合会審査員会
(Hiroya Ogata)
千葉県歯科医師会社会保険委員会
おがた歯科医院院長(松戸歯科医師会所属)
略歴
- 2001年 日本歯科大学新潟歯学部卒業
- 2015年~ 千葉県社会保険診療報酬支払基金審査委員
- 2021年~ 千葉県歯科医師会社会保険委員会委員
千葉県歯科技工士会企画講演
(Chiba Dental Technologists Association Lecture)
会場
第4会場
10:00 ~ 12:00
歯科技工士教育制度の変遷と国家試験について
2014年の歯科技工士法一部改正により2015年度から歯科技工士国家試験が全国統一化されました。しかし、歯科技工士全体でみると、8割以上は以前の都道府県別試験の受験者であり、統一試験の受験者はまだ少数派といえます。今はどんな試験なのか、また、過去はどのような試験だったのか、互いに疑問点もあるのではないかと思われます。実は本講演の機会を頂くことになったのも現在の国家試験について誤解が生じていたことがきっかけでした。そういったこともあり、教育制度や国家試験について変更点を中心にお話ししたいと思います。
<講演内容>
◯ 歯科技工士教育制度の変遷
・ 歯科技工士学校養成所指定規則の改正(2018年)
・ 歯科技工士養成機関の種類と数
◯ 歯科技工士国家試験
・ 全国統一化(2015年度)に伴う変更点
・ 全国統一後の試験内容
・ 受験者数および合格者数の状況
◯ 歯科技工士免許に関する変更点
・ 欠格事由の改正(2001年)
・ 厚生労働省指定登録機関への申請(2015年)
講師
(Noriko Nishimata)
(筑波大学附属聴覚特別支援学校 高等部専攻科 歯科技工科 教諭)
(一般社団法人 千葉県歯科技工士会 会員)
歯冠修復物製作時の咬合を咬合器上で考える
歯冠修復物製作時に目標とする咬合の与え方は、安定した咬頭嵌合位、前方側方運動時には臼歯部に適度な離開を与えスムーズな顎運動をさせる事を目標にしています。それらを的確に与える事で過剰な咬合圧が局部的にかかる事を減らし、補綴物の破損などのトラブルが回避されると考えています。 とは言うものの、日常臨床においては、不正歯列やすれ違い咬合による咬合平面の乱れ、また下顎位の偏位などがあり、また補綴出来る範囲も制限されるため、理想的に全顎を改善していけるケースは多くはない様に思っています。 このように咬合を考えると歯科技工士が模型だけと向き合っているだけでは難しく、歯科医師との連携が必要になると考えます。 今回の発表は下顎位の偏位から補綴スペースの少なくなったケースを歯科医師と連携をとりながら、より良い咬合を目指した症例を紹介します。
(Toshiya Satou)
(一般社団法人 千葉県歯科技工士会 千葉県支部会長)